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映画 ヴィダル・サスーン

先日、久しぶりに映画を見に行ってきました。

タイトルはヴィダル・サスーン。美容の歴史の中でも、もっとも偉大な

美容師の生涯を描いたドキュメンタリー映画です。

おそらく観客のほとんどが美容師だったと思いますが、先日5月9日に84才で

亡くなったばかりで、偶然とはいえとてもタイムリーな公開です。

美容師以外の方はシャンプー等のヘアケア商品でしかご存知ないかと

思いますが、当時のファッション界に大きな影響を与えて、

いまの美容のスタイルや価値観などの基礎を築いた偉人です。

この人がいなかったら今のヘアスタイルはまったく違ったものになっていたかもしれません。

私の中でも大きな存在ですが、おそらく現在の美容師のほとんどがなにかしら彼の影響を受けています。

以前私が勤めていた店の先生も独立前は、都内の有名店で学び今でも講師として活躍していますが、

先生の師匠もかつてイギリスに渡り、サスーンのカットを日本ではじめて広めました。

当時の日本での反響もすごくて、先生の店にも行列ができたと聞いています。

私も現代の美容のルーツであるイギリスロンドンに渡り、かつてサスーンに学んだ先生のもとで

多くを学び、向こうの空気を肌で感じることができました。

かつてヴィダルサスーンのサロンでトップまでのぼりつめた日本人美容師がいます。今でも現役で活躍していらっしゃる

川島 文夫氏は70年代にロンドンのサスーンのサロンで活躍していました。

当時から日本人美容師のあこがれで、日本人美容師が世界に通用する事を証明した方です。

幸運にも当時から親交のあった私の先生と、その若い時代を語ってもらった事は今でも忘れません。

映画のなかでサスーンが現役だったころの熱い雰囲気がまだ残っていた時期でした。

映画の中で、サスーン氏はとてもおだやかできれいなクイーンズイングリッシュでインタビューに答えていますが、実は

彼はロンドンの貧しい下町育ちで、若いときにその下町のアクセントを苦労して直す訓練をしたそうです。

またジョークが好きで気さくなジェントルマンですが、若いときにはイライラしてハサミを投げ出したり、接客中でもどこかに

行ってしまうところが私の中ではとてもイギリス人らしく感じました。

彼の偉大なところは多くのスクールをつくり、その技術を後世につたえている事です。

今でも世界中の美容師たちが学びに来ていますが、その技法は今でもカットの基礎となっています。

私もかつてはサスーンのスクールで学びましたが、先生たちもその技術だけではなくスピリッツもうけついで、生徒たちに伝

えていると感じました。

私も今一度自分の原点をふりかえって、お客様をより喜ばせたいと思いました。

 

by Gabe