先日、西洋美術館で開催中のラファエロ展に行ってきました。
ラファエロは、ルネッサンスを代表する画家の一人で誰もが名前を知っているとは思いますが、
これだけ多くの作品が日本で見る機会はないので、多くの入場者が来ているようです。
当日は、平日の遅い時間だったので混雑もなくゆっくり鑑賞できました。
この展覧会の目玉作品は、ポスターにもなってる
大公の聖母 と呼ばれる作品で、まわりには特に多くの人が熱心に鑑賞
していました。この作品は、かつてトスカーナ大公が寵愛して旅行中でも常に
身近においていた事でこの名前がつけられたそうです。
元は聖母子の周りに背景が描かれていましたが、損傷がひどくなったために
後から黒く塗るつぶされた事がX線の調査で判明しています。この絵画の聖母は、
本物を見ると少し悲しそうな表情をしていて、幼いキリストのその後の運命を予感しているように感じました。
ラファエロの作品は、レオナルド・ダ・ビンチから受け継いだすばらしいぼかしの技法や、本物のような毛皮や衣類、肌の質感、
豊かな人物の表情やポーズなど、後の画家からも最高のお手本としてとても大きな影響を与えました。
かつて海外の美術館で、ラファエロの作品を目にした事はありましたが、これだけの数を観るのはもちろん
初めてで、あらためてこの巨匠のすごさとすばらしさを実感しました。
Gabe